私達の物語 |
「ザナルカンド、案内できなくてごめんな・・・」 金髪の髪の毛に、海が透けているような瞳。彼は、かつてザナルカンドのエ−ス… でも、そんなことはどうでもいいの、ただ、一緒にずっといたいよ。 君といれば、怖い物なんて無かったよ。お願いだから、行かないで… 「・・・・・・」 彼女は何も答えない、答えられなかった。 言葉が出ない、私は君といたい、でも分かれなければいけない。 そんなの、悲しすぎるよ。私は、まだ約束守ってもらってない。私はまだ、まだ・・・ ユウナは走る。彼を、ティ−ダを抱きしめに、強く、強く抱きしめに。 「ティ−ダ・・・!」 彼女がティ−ダに手を伸ばす。しかし、彼の体に触れたときだった。 うそ・・・ 冷たい・・・ うそでしょ・・・? ユウナはティ−ダの体を通り抜けた。ティ−ダの体は冷たかった。 きっと迷っているんだ・・・ じゃあ言わなきゃ・・・ 一緒にいたいよって・・・! まだ、私は・・・私はまだ・・・! 地に全身をつけながら、彼女は思う。 目に涙が出ちゃった・・・ だめ、こんな姿、見せちゃダメ・・・・ みんなが私を見てる・・・ 私は召喚士だもの 笑っていなきゃ・・・ 笑顔でいなきゃいけない・・・ でも、もう無理だね・・・ 怖い物ができちゃったのかな・・・ ううん、できちゃった・・・ ティ−ダがいなくなるのが怖いよ・・・ だから、笑うことができない・・・ 「ユウナ・・・」 ル−ル−達が心配そうに見守る中、その様子をティ−ダはじっと見ていた。 「・・・・・・ユウナ・・・」 ユウナは起きあがった。深い深い魂が彷徨う下を見ていた。 ・・・ティ−ダのおじ様・・・ ジェクト様・・・ そしてお父さん・・・ 私に笑顔を・・・ 言葉を・・・ 勇気を下さい…! 彼女は必死に願い続けた。手を合わせ、目をつぶり、悲しみをこらえながら。 お願い、私はまだ、ティ−ダに何も言っていないの・・・ その時、後ろから温かいものがユウナを包み込んだ。 ・・・・・・ティ−ダ・・・? 彼は無言だった。でも、温かかった。 泣いているの・・・?お願い、泣かないでよ・・・ ガ−ドでしょ・・・ 泣かないで・・・ いつの間にか、ユウナも目にたまっていた涙が頬を伝っていた。 よかった・・・ やっぱりティ−ダは温かいね・・・ ユウナはティ−ダの手をぎゅっと握った。体本来に触れることはできない。 でもユウナには分かった。彼はまだ生きてる、彼の物語は続いている・・・・ その時だけ、二人だけに送られた最後の時間があった。 ―・・・さようなら、私は、君をちゃんと見てるから・・・ 忘れないから・・・ 最後まで、最後まで、物語を続けて・・・ 私達の、物語を・・・ ありがとう、会えて嬉しかった、スピラの希望をありがとう・・・・― ―ユウナ、俺は、俺の物語を続けるさ。いつまでも終わらない、 スピラとエボンの物語を・・・ 俺も、みんなに、ユウナに会えて、 すごく、嬉しかったよ・・・― 二人は口づけを交わした。お互いの気持ちを確かめながら・・・ 「みんな、じゃあな!これが、これが!! 俺の物語だ!!!」 時は過ぎた。彼女は彼に教わった口笛を吹いていた。 ティ−ダ、ごめんなさい。私、最後まで言えなかったね・・・ きっと、この言葉が伝わるよう、信じています。 大好きだよ。すごく大好きだよ。みんなも大好きだよ。 ・・・でもね、みんなの大好きと、ティ−ダの大好きは違うよ。 ―口づけ 嬉しかったよ・・・ いつかまた逢おうね……― ユウナにはまだ、温かさが残っていた。感覚も残っていた。 「ユウナ、そろそろ・・・」 ル−ル−の声に、彼女は立ち上がる。 かつて前までは死人の魂だったは、今では白い鳥たちが自由に飛び回っている。 空も海も青い。もうシンはいない。私達が償いを認めたから・・・ ユウナは今から語るのだった。シンを倒したことでなく、 仲間との、物語を語りに・・・ |
ガイツ
2001年11月20日(火) 23時19分11秒 公開 ■この作品の著作権はガイツさんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
この作品の感想です。 | ||
---|---|---|
口笛でなく指笛デス!!だけど、キューンとしてしまう話ですた・・・。 | あおこ | ■2005年03月21日(月) 20時16分31秒 |
もう少しで2005年!ガいつさんまた書いてぇん★ | にょにょ | ■2004年12月11日(土) 21時55分44秒 |
いいです!!とっても!!本当に初めてなの?これからも頑張って下さい♪次に書いたときはぜひ私を一番目に読まして | ボコチョ | ■2002年01月06日(日) 12時59分47秒 |
ああ、ごめんなさい、間違って途中カキコしちゃいました(汗 では、改めて MOMOさん、お返事ありがとうございます!!分かれる場面は正直泣けました(笑 《MOMOと書いたのは悪魔で間違いなので、決して呼び捨てしてやろうということではありませんので・・・ごめんなさい | ガイツ | ■2002年01月02日(水) 20時17分12秒 |
MOMO | ガイツ | ■2002年01月02日(水) 20時14分28秒 |
MOMO | ガイツ | ■2002年01月02日(水) 20時14分27秒 |
あの、お別れの場面はいい味出してるね。 | MOMO | ■2002年01月01日(火) 04時56分58秒 |
あ、ありがとうございます!!久しぶりに遊びに来たらあっき−さんと????さんからも来てるなんて嬉しいです!!皆さんもぜひ小説を書いてくださいね!!期待してます! | ガイツ | ■2001年12月19日(水) 23時08分26秒 |
本当にいい!気持ちが伝わったよ!! | あっきー | ■2001年12月19日(水) 11時28分46秒 |
すっごいすっごいで〜すよ! | ???? | ■2001年12月18日(火) 15時55分42秒 |
おお。さらにコメントが☆嬉しいな、ありがとうございます!!CHIKOさんも、頑張ってください!! | ガイツ | ■2001年11月25日(日) 20時57分15秒 |
とっても良いと思います。これからも頑張ってください! | CHIKO | ■2001年11月23日(金) 16時05分21秒 |
そ、そうですか!?ありがとうございます!!皆さんも、小説頑張ってください!!期待してますので!!! | ガイツ | ■2001年11月23日(金) 12時32分54秒 |
いいですね〜 全然変じゃないです!!! | くま | ■2001年11月22日(木) 22時05分27秒 |
>初めてにしては、変な小説だったです。 そんな事ないです!!すごく良いと思います!! | ステルス | ■2001年11月22日(木) 19時09分46秒 |
[ 感想記事削除 ] |